昨日、僕が今度新しく働くお店のプレオープンということで、トレーニングとして働いてきました。来たお客さんにはハンバーガーをタダで提供するというものでした。
慣れないデザート作りに若干戸惑いながらも、今までの経験通りバーの仕事をこなせました。もっと覚えないといけないことも多いですが、一生懸命働きたいと思えました。
僕の持ち場は、バーなのですが、一緒に働く一人のイタリア人の気性が激しくて、若干うっとうしく思えます。ただ、長い時間一緒にいると、憎めない奴だと感じるのですが。
彼の名前は『マリオ』。おにぎり好きの山下清似、南イタリア出身の顔面ニキビ多めな伊達男です。イタリア人らしく、本当に女の人に目が行きます。イタリア人は、誇りが高すぎて、自分たちの国の料理が一番、コーヒーも一番、アイスも一番だと思っている人が多いんです。皆、揃って言うのが『ロンドンで、美味しいイタリアンなんて見つけられない!』と言い切ります。そして、研修の際も提供されたマカロニサラダを食べようとしませんでした。
『おい!食べろや!一応、自分らが提供する料理の味、分かっておけや!』
と、一喝してやりたかったです。その割にはマリオは、インド系の人が営んでいる少し寂れたカフェに入ってホットコーナーに置いてある少し固くなってそうなピザを持ち帰りで注文し、『美味しいか?』と聞くと、『美味しくない』と言います。
『おい!なら、買うなや!』
と、一喝してやりたかったです。
そんなマリオはコーヒーの作り方にも自信があったようで、研修で教えられた内容が気に食わなかったのか、あまりマネージャーの話を聞いていませんでした。僕は正直、コーヒーの作り方がわからなかったため、研修の後、マリオに
『コーヒー ノ 作リ方、教エテ クレ。オ前 ハ コーヒー ノ 国 出身 ヤロ?エ?』
と尋ねると、マリオは胸を張って、
『オレ コーヒー ノ 国 ノ 人! 作レナイ コーヒー ナイ!!』
と言ってきました。
丁寧ではないですが、僕が聞く質問に、適度に適当に、答えてくれました。もちろん誇り高い顔と態度で。
そしてその後マネージャーに『マリオ、ラテ作ってくれ!』と頼まれ、作ろうとすると、めちゃ戸惑いながら、
『コレ、イタリア ノ ジャナァ~イ!クソ野郎!!』
と言って、コーヒーを作れず、コーヒーマシーンの文句を言うていました。それでも、コーヒーマシンと格闘する背中は、切ないものでした。
『ほら、見ろ!言わんこっちゃないわ!』と一喝してやりたかったです。そして、マリオはその後、スネ出し、レストランのプレオープン20分前までスネてました。
僕はマリオに、何とか元気を出してもらおうと『マリオ、頑張ろうぜ』と色々声をかけたのですが、埒が開きませんでした。しかし、店がオープン直前を向かえ、スタッフの士気も上がるとマリオのテンションも持ち返し、忙しくなると、マリオも張り切って働いていました。
適当にサボって、適度に懸命に働いていました。
本当に気性の荒い性格のマリオ。今後が楽しみです。日本人で言えばこの気性の荒さ、テンションの変わりようは、幼稚園児のようです。
そんなマリオは、30歳だそうです。
バイロンのハンバーガーです。ペロンッ!!
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