生まれて初めてだろう、飛行機で吐く寸前までいったのは。飛行機の窓から見えるエディンバラの景色は、僕の頭の中のイメージと大きく異なり、近代的な建物がたくさん。その奥に、岩でつくられたようなゴツゴツした建物が広がっていた。横に座っている嫁さんに、『案外、建物が近代的な感じやなぁ』と、気を紛らわせるために言おうとしたものの、気持が悪すぎて、言えなかった。しまいには、片手に備え付けの袋を握り、いつでもどうぞ、という気持ちだったが、何とか耐えることができた。
僕たちは格安航空を使ったのだが、格安航空というのは、ほとんどのサービスがない。水でさえ、お金が必要になってくる。そんなことにクレームを言うつもりはさらさらないのだが、ひょっとすると、ゲロ袋に対しても、課金されるんじゃないか、と頭をよぎった。その貧乏根性が、ゲロを止めてくれたのかもしれない。(嘘)
スコットランドは、強風と、気持悪さと、時間の無さで、ブログに書くことはしない。ただ、ひとつ。もっと早く行っておくべきだったし、もっと日程を取るべきだった。
スコットランドに行くつもりは、最初の計画ではなかった。それが、航空券の値段を調べてみると、次に向かうノルウェーのオスロ行きのチケットが、格段に安かったのだ。もちろん、スコットランドに行って、ご飯を食べて、宿に泊って・・・という風に過ごすと、高くはなるのだが、最初そんな気持ちで向かった場所だった。それが、意外に良かったのが、ちょっと残念。
そして、今はノルウェーのオスロの日曜日の夜。ここに来た目的はただ一つ。大学時代に仲の良かったベンというやつに会いに来たかったのだ。僕の英語力も、6年前に比べると伸びているだろうし、ベンも仕事をして、随分大人になっているだろうな、と思っていたから。
映像を見せてもらったのだが、相変わらず、スノーボードは巧いし、笑い方は変わらないし、エキサイティングなスポーツは好きなようだった。
ただ、英語で話して初めて、ベンの違う一面が見れた。6年前は、ベンが日本語を話していたし、僕らは大学生だったから、普通の若者のような感じだったが、6年経った今、ベンって、めちゃ賢いやん、と何度も思わされた。
もちろん、日本語を話す外国人は、みな賢いのだが、6年前の僕にはそれがわからなかったのだろう。
彼は、今ノルウェーの政府のために働いている。日本でも今議題に挙がっている、エネルギー政策が、彼の担当。ノルウェーは、スウェーデン、デンマーク、フィンランドなんかと、エネルギーを共有しているそうだ。
ノルウェー自身は油田があり、エネルギーに困っているということではないのだが、将来を見越して、持続可能なエネルギーは、どういうものを使えばいいのかを考えているらしい。
ここで、エネルギー問題の話をしても、仕方ないので、興味がある人は、また次の機会にでも。
僕たち日本人が考える北欧は、ムーミンであったり、IKEA、NOKIAなんかのデザインもの、女性ならマリメッコ、ロイヤルコペンハーゲンなど、どれがどこの国か分からない感じかもしれない。僕もその一人だった。
でも、ノルウェーはほかの北欧の国に比べ、貧しく、成長が遅かったらしい。なので、一般市民が嗜好品をそこまで買うことがなかった。そのことが、いろいろな産業において、隣国から遅れを取る原因になったそうで。ただ、北海に油田を発見し、市民のレベルもあがってきて、ここ30年ほどで隣国に追いついてきた。
だから、今では街に他の世界都市と変わらないお店や、インテリアショップがたくさんあった。物価が高い、物価が高い、とロンドンにいるときに、何百回も聞かされたが、まさにその通り。物価が高いと言われているロンドンより、少し高い感じか。ただ、家賃はロンドンの半額くらいだろうか。安い。
ベンと彼女が住んでいる家、中心から歩いて、数十分の利便のいい土地。周りにたくさんの大使館がある。家賃が安い。
彼女とベンは、この3泊4日、付きっきりだった。本当に、ありがとう。
クリスマスマーケットなんかにも連れて行ってくれた。おかげで現地の人とも触れ合えることができた。ベンも、ノルウェーワッフルを手にして満足。このワッフル、家でも作ってくれたのだが、ベルギーワッフルの丸型とは違い、ハートが3つ重なるミツバのようになっている。ノルウェーのセンス。
これが、圧巻の民族舞踊。コサックダンスを混ぜたり、独特な間で小刻みにジャンプを繰り返し、ステッキの先に吊るされた帽子を蹴り落とすというダンス。これをパロディーにして、帽子を持っている女性の顔を蹴るなんて、CMもあった。
ベンが、クリームソースを作ってくれた。ノルウェーの昔から食べられている食べ物だそうで、美味しかった。ますます、意外な面を見れた。
このテーブルで、ずっとひたすら話をした。6年前は想像もつかなかったけど、エネルギー問題の話や、将来の話、孫正義の話、日本の政策の話、いろいろできた。ベンは、博学である。自分の親父へのお土産も決まった。
この公園はよかった。
ロンドンでは、たくさんの子どもがサッカーを楽しんでいたのだが、ノルウェーではアイスホッケーならぬ、バンディを楽しんでいた。ところ変われば、いろいろ変わるものである。
ノルウェー、これから注目の国です。ありがとう、ノルウェー、ありがとう、二人。
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