2011年12月6日火曜日

BYRONとバイロンとミルクシェイクと仲間。

あっという間に、2年経つ。異国での経験は、自国での経験より時間が経つのが早く感じる。いや、前の会社の2年半もあっという間だったか。新しい経験は、いつも自分を高めてくれるし、スピードが早い。

もう、街はクリスマスの装いで、何やらロンドン中心は買い物客を出迎えるクリスマスの装飾がすごいようで。

僕が働くバイロンでも、七面鳥を使ったターキーバーガーが登場した。クランベリーソースに、ホウレン草に、グリルされたジューシーなターキーがドカンと柔らかいバンズにくるまれている。

美味かった。舌が痩せたのか、最近結構何でも美味いと思うようになってきた。

そんなわけで、12月に入り、1年間在籍させてもらったバイロンを退社した。途中から移籍した一番忙しい支店で最後を迎えたのだが、この店の週末は盆と正月を一緒に迎えたような忙しさだ。

昼間には子連れの客で賑わい、大人を気取った子どもたちがバーカウンターに腰をかける。『僕は、ミルクシェイクを頼むんだ!しかも、オレオのやつをね!』なんて、めちゃめちゃバタバタと仕事をしている僕に話しかけてくる。そうかそうか、でもおじさんはオレオミルクシェイクを作るのが、一番面倒で、嫌いなんだよ、なんては言えない。あんな、美味しそうにシェイクを飲む子どもたちの表情を見ると、一生懸命作らなくては、なんて思わされる。

また、一生懸命作っていると、その子どもたちは僕の手元をじっと見てくる。ああやって、僕らが飲むミルクシェイクは作られているのか、てな具合で。


1年間、ミルクシェイクをざっと5千杯は作っただろう。旧式のマシーンをあえて使うバイロンは、独特の柔らかいシェイクを作ることが出来る。その分、作るには結構な筋肉が必要になる。右腕の裏側は、ミルクシェイク筋がついた。

もう、見知らぬ子どもにミルクシェイクを作らない。絶対、作らない。一生、作らない。あー、終わったーー!しゃーー!!って、いう気分でいっぱいである。

金髪の、青い目をした、とってもかわいい子どもが『私は、ストロベリーのミルクシェイクを飲みたい。』なんて、バーカウンター越に言ってきても、『俺、もう、バーテンダーちゃうし!!』って、胸を張って言える。


そんなこんなで色んな国籍の、色んな人と一緒に働けたバイロンは、素敵なハンバーガーレストランである。ロンドンに行った際は、是非行ってほしい。もちろん、ミルクシェイクも一緒に注文してほしい。ちなみに、ミルクシェイクは何味でもいいのだが、『Thickでお願いします。』ということを忘れずに。さもないと、下手なバーテンダーだと、シャバシャバのものが出てくることもあるので。


本当に素敵な仲間に出会えたバイロン。ありがとう。最後に、コソっとみんなからの寄せ書きをもらった。正直、予期していなかったので、もらったときは思わず泣きそうになった。そのレターの表紙は、『5歳の誕生日おめでとう!』なんて書いてある誕生日カードだったが、そんな冗談も嬉しかった。カードの中を開けて、たくさんの人からの寄せ書きを見て、本当にウルっときそうになったが、何せ外国人の字の汚いこと、汚いこと。なんて書いてあるか、読めないのも多々あり、泣きませんでした。いや、泣けませんでした。


バングラディッシュのカジ。愛想がよくて、頭もよくて、働きもの。言葉がダメでも、愛想は大事だ。


僕のことを、Mr.タイソン!と呼んでいたブラジル人のパウロ。おそらく外国で働くには、英語は話せないといけないのでは?なんて思っている人も多いと思うが、彼の英語は、まったく理解不可能。


ジンバブエ出身のジョン(左)とラトビア出身のアンナ、二人はカップル。来月、数日家に泊めさせてもらう予定。


スペイン・マラガ出身のセルジオ。マラガと聞けば、青い海と空をイメージするだろうが、彼は4年間引きこもりだったとか。几帳面で、でも愛嬌があって、仕事は出来なかったけど、キッチリしてるやつ。


そのセルジオと同郷・スペインのマドリード出身のダビ。小さくて、愛想があって、良い奴。いつも、僕のことを見付けては、『タァァイ!』と。スペイン語交じりで、英語を話す良い奴。


アルジェリア人の古株・サム。ゲンキ!?とコンニチワを覚えて、会えば、お辞儀をして、握手をしてくれる。仕事は遅いけど、お客は後回しだけど、適当ではない。


どんだけ忙しくても、冗談をめちゃめちゃ言ってくるスペイン・マドリード出身のマリオ(中)。小さいけど、細いけど、いつも明るくムードメーカー。日曜の夜は、締めながら、こそっとビールを飲んだ。

そして、左がマネージャーのギャレス。ビックリしたのが、彼がゲイだったということ。ゲイは多いが、まさか彼はゲイだと思わなかった。ゲイだけに、本当に几帳面で、気分屋で、なかなか距離をつかめなかった。ただ、最後は良い感じで終われた。


1ヶ月前に入ったバーテンダーのレオナルド。ルーマニア出身で、小さいころよりイタリア・ローマで生活。こいつも愛想がよくて、イタリア語、スペイン語、ロシア語、ルーマニア語、と話せるやつ。こんな奴に、そんだけの言語が話せると思うと、言語の壁がグッと低く感じる。このショット以外にも、数ショット撮ったのだが、『写真撮って!写真撮って!』とやたら連呼してきたから、『なんで、お前の写真ばっか撮らなアカンねん。わしゃ、お前のカメラマンか!』と怒鳴った。


渡英前は、仕事場の人に対して、自分の意見をブツけるなんてことが出来なかったけど、だいぶ出来るようになったと思う。ここでは、ガンガン言わないと、どうしようもない。また、英語のレベルもバラバラなので、きっちりと言わないと、誤解で後でややこしくなる。

めっちゃ、腹も立ったし、その分めっちゃ楽しくもあった。一番の良きパートナーである、フランス人のハッサンは、写真にいない。で、みんなの寄せ書きにも書かれていない。それは、書いたり、最後の写真を撮ると、余計に寂しくなるからだそう。


明日、最後にパーっと飲んできます。

ミルクシェイクじゃなくて、酒を。

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