北ロンドンのテレアポセンターに、ほぼ毎日23時半に出勤し、朝の9時までの夜勤。日本の会社で、海外進出している企業に対して(売り上げ制限あり)、海外事業についての電話での聞き取り調査。
やたら日本語ビジネス語を話したし、テレアポも全然苦にならなかった。前の職場の上司の顔や、会社の雰囲気が何度も蘇ったのも、なぜか懐かしかった。
顎をこじゃくれたテレアポセンターのお局と、無表情のイタコが降りてきたような30女と、僕の3名から日本人グループは、電話での聞き取り調査50社を目指して、スタート。火曜日の朝に無事達成し完了した。
僕の職務経験だと、正直、組織の上の人が電話での聞き取り調査に応対すること、さらに仕事中に行うなんて難しい気がする。ましてや、結構それが長いと余計難しく感じる。聞き取り側になる、こちらはインタビュー結果が欲しいので、正直質問全て馬鹿丁寧にこなす必要は無い。
ところがどっこい、お局とイタコはそれを丁寧にこなす。
たとえば、『今から海外進出をされた方の、海外事業に関する文章を数文読み上げます。それに対して、ご本人様は、強く同意する、もしくは同意する、どちらでもない、反対する、強く反対する、の5段階で応えていただきたく思います。』
というものがあった。これは、聞き取り側の手元には質問表があって、1~5の数字でチェックするようになっている。それをわざわざ相手にも強要しようとしていた。
『強く同意する場合は、1と仰ってください。逆に強く反対する場合は5と仰ってください。』
というように。いや、そこは相手が『ん~、まぁ同意するかな~。』というように応えれば、2にチェックをしたら済む話。でも、お局もイタコも、
『では、1文目です。我が社は海外での事業を得意としている。』
(先方、おそらく数字ではなく『そうですね』と答えている。)
『いや、数字でお答えください。』
(先方、おそらく『あ、え?』みたいな感じになっている)
『ですから、強く同意する場合であれば、1と。強く反対する場合ですと、5という具合で。』
(先方、若干イラっとする)
『次の文章です。海外進出の場合は、外注が効果的である。』
(先方、ちょっと考え、『どっちでもないってのはあるんですか?』と聞いた様子)
『では、3ということでよろしいでしょうか?3は、どちらでもないになっております。』
みたいなやり取りをしている。
いや、そこは要領を完全に理解してるこっちが柔軟にせーや!余計、時間の無い先方にイラつかせるだけやろがい!どんだけ機械的な作業やねん!と思った。思いっきり、思った。
また、イタコが休んでいたときのこと。お局は話す相手がいないのか、僕に話しかけてきた。そこでかなり耳を疑ったのが、イタコの悪口。なにやら、今回なかなか目標が達成されなくて、イタコの成績も悪かったらしい。それに対しての文句。さらに、その次の日から1件聞き取り調査を完了すれば3ポンドもらえるというオプションがついた。それを聞いたお局が、僕に
『あのイタコさんは現金な人だから、絶対明日から今まで以上のパフォーマンス発揮するわ。もう・・・、ま、別にいいんだけどねぇ。でも、私は同じ時給で上との間に入ってるんだから、その気持ちも分かって欲しいんだけど。もう・・・、ま、別にいいんだけどねぇ。何か、休みを取るのって、ある程度仕事をしていればっていうところあるじゃないですか。それを、今日も休みを取ってね、何か今回の仕事に対して文句も言いながらね、もう・・・ま、別にいいんだけ・・』
いや、ええんかい!結局、全部ええんかい!
この仕事を通して、再度タバコを復活させた。そして、全然聞いてなかったアイポッドも復活。ラジオをダウンロードして聴き漁った。
ただ、もう仕事が終わったので、再度タバコ休憩である。タバコを吸いたくなる仕事には、もう就きたくないものだ。
インドやフィリピンには、世界最大と呼ばれるテレフォンセンターがあるという。労働賃金が安く、ある程度英語が話せるという理由で。ただ、ロンドンには色んな言語を話す大きなテレフォンセンターがあった。英語、ドイツ語、中国語、アラビア語、オランダ語、ロシア語、ポルトガル後、スペイン語、ヒンズー語などなど。これは、NYやロンドン、トロントでないと存在しないのだろうなと感じる。
海外都市で、日本語を生かした仕事の一つにテレオペがある。ただ、ほとんどが夜勤。まぁ、これも経験。
日本の留守電になぜか、多く採用されているこちらの曲をどうぞ。これ、なんでやろか。何のつながりなんやろか。
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