2011年8月30日火曜日

インド人、嘘つかない。

『あなたの、おでこに、幸せの光が見える。ただ、あなたは考えすぎている。それによって・・・』

バイトが終わり、勢いよく扉を開けて、歩道に出たところで、こんな言葉をかけられた。言葉をかけてきたのは、インド人中のインド人。ザ・インド人である。ターバンに、長いひげ。

『ソウデスヨ!僕、考エスギル傾向ガアリマス!』

僕は、調子に乗って応答した。

そのインド人は、自分はヨガの達人だ的なことを述べて、財布の中に収められていた『師匠』という写真を見せてきた。

その師匠は、インド人中の、インド人をさらに、上回るインド人。ザ・ヨガとでも言おうか。スト2なら、完全にダルシムである。

そして、財布の中から小さな紙切れを取り出し、僕の顔をしっかり見て、何やら書き出した。書き終わって、その紙を4つに小さく折り、僕の手の中に置いた。

そして、その次にインド人は僕に質問をしてきた。その質問が、

・好きな花
・誕生日
・将来何をしたいか
・好きな数字

の4点。僕は今まで好きな花なんて考えたこともなかったので、ただ、チューリップと答えた。そして、そのインド人は、僕の答えを、また別の紙に書いていった。誕生日、将来のこと、好きな数字を順々に聞き、紙に書いていく。

そして、僕の右手に置かれた小さな紙に、息を吹きかけ、おでこと首にあて、『紙を見てみろ』と言ってきた。

そして、その紙を開いてびっくり。

まったく、僕が答えた答えと一緒。僕が答える前にインド人が僕の顔を見て書いたことが、僕の答えと全く一緒である。

正直、驚いた。

そして、すぐに金をせびられた。僕は正直、驚いていたので、こいつはホンモノかと思った。ただ、すぐに金をせびってきた。

『あなたは、ラッキーなのだ。一緒に働いている人は、毎日会うが、この目の前にいるヨガマスターは、今しか会えない。』

そして、続けて

『もっと、人生がよくなるように、素敵なプレゼントをする。そして、それにまじないをかければ、本当に人生がよくなる。』

と言ってきた。僕はポケットに、10ポンド札と5ポンド札。そして、1ポンドコイン4枚を持っていた。

『僕、金ナイ。アゲタイケド、金ナイ。』と断った。しかし、その金のせびり方が、半端なかったので、4ポンドを渡した。

でも、インド人はここで終わらない。次に、また4つの質問を投げかけてきた。

・今までの人生で、僕のことを嫌っていた人や、嫉妬してきた人
・母親の名前
・父方のおじいさんの名前
・好きな色

同じ手順で、先に僕の顔をじっくり見て、紙に書き込んだ。そして、上の4つの質問を僕に投げかけてきた。正直、僕のことを嫌っていた人の名前は一切浮かばなかったから、適当に答えた。

そして、また質問の後で、先に書いた紙を見てみろ、と言われた。そして、案の定、僕の答えとインド人が予想した内容がまったく一緒である。

正直、驚いた。度肝抜かれた。

最後に、インド人は『なぜ、その答えがわかったか』そして、『もっと、そういう今感じているストレスを無くし、残りの人生をよくするために、キャンドルと紐と、お守りをあげるから、20ポンドくれと、お金をせびってきた。

僕は史上最高の悲しげな顔をして、『僕貧乏。金ナイ。アゲタイケド、金ナイ。』と断った。

すると、さっきは、『あなたの目の前にいるヨガマスターは今しか会えない』と言っていたのに、『いつなら、都合つく?』と聞いてきた。いや、今しか会えへんのちゃうんかーい。さらに、ATMで下ろしてもいいとさえ、言ってきた。

その傲慢さに、再度度肝を抜かれた。

結局、お金ないから、スマンと言って別れた。

ロンドンで、バイト先の目の前で、こんなことに遭うとは思わなかった。4ポンドって、500円くらいだが、今の僕にとってはデカい。

悔しくて、帰りに1.5リットルのコーラを買って帰った。


今日は、やけ酒だ。

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